緑の葉をしげらせ、青空に向かって、すくっと、立っている木を見ると、だれでも「この木は生きているなぁー」と、思うのではないだろうか。
木は伐りたおされたあとも、家具や建物に使われて、人間の生活の中で生きている。
伐られても、なお生きつづける。
それは、いったいどういう意味なのだろうか。

鉄筋コンクリートは強いが、よい素材を使い、ていねいにつくらないと、10数年で欠陥がでることもある。
ところが、木の家は素材を生かしながら上手につくれば、100年ぐらいは充分もつ。ときには法隆寺のように、千年以上も生き続けてた木の建物もあるのだ。




森林と環境
私たちが日常使っている木材は森林から生み出されます。木材は身近な材料ですが、樹木を切ることはすべて森林破壊につながるという短絡的な意見を聞いて、木材の利用にうしろめたさを感じている方もいるかも知れません。そこで、木材という材料の置かれている今日的な意味をここで改めて見直してみたいと思います。
そのためには、まず、森林のもつ機能を正しく認識しなければなりません。地球は森林があるがために、今日の環境や国土を保っているのです。そして、適正な木材の伐採がその森林を活性化してくれていることがデータから見えてきます。人間と森林のとの新しい関係を築く必要があるのではないでしょうか。


木材は再生可能な資源です
生物資源は、使えばなくなる化石資源や鉱物資源などと異なり、条件さえ整えば時々刻々太陽エネルギーによって再生産され、その量を増加させることができます。しかもその生産過程は、環境を汚染するどころかこれを改善し、省エネルギー的に行われます。このような資源を他に見い出すことは出来ません。木材を中心とする生物資源の生産とその有効利用の促進は、次世代における材料確保にとって、ますます重要になるに違いありません。


適正伐採は、森林を活性化し環境保全機能を高めます
木材の生産と利用の流れは、炭素蓄積量を高いレベルで維持しながら無限に続いていくシステムです。 下の図は、1haの林地に植栽したスギ林木の成長過程およびそれを伐採して作る木製品の利用過程における炭素蓄積量の経年変化を示したものです。植林50年後には伐採しますが、その跡地または隣接地には第2世代の植林をします。
伐採した丸太から作った製材品で住宅を建設し、これを30年後に解体します。解体材の50%はボードに再加工して家具に使います。以後、この流れが繰り返されます。 このように切ったら植える、そして木材を住宅部材などとして長期に使用するというこのシステムによれば、炭素の総蓄積量を高いレベルで維持しながら必要な資材を永続的に確保することが可能です。


木材と健康
今、木材が私達の健康維持や地球環境の浄化に役立つとして大いに注目されています。
木材は、日本の気候風土に適した住宅材料として、これまで私達の健康を支えてきました。木材はまた医療薬品や食品などさまざまに姿を変えて、私達の健康維持増進に役立っています。木材から作られる木炭も地球の健康に大変有用な材料として、新たな用途が開かれつつあります。学校教育においても、ゆとりとうるおいのある教育環境が求められるにしたがって木材校舎が復活し、脚光を浴びています。 最近では、樹木の抽出成分、フィトンチッドが心身をリフレッシュする効果が証明され、森林浴も盛んになってきました。


木のある教育環境
学校に木材を取り入れることによって、精神的な健康を維持しようという動きが強まっています。木造校舎も「住み心地の良さ」、すなわち子供達の安全性、精神的・肉体的な健康維持の面 から、新たに脚光を浴びています。木造校舎といっても、昔のものとは随分違います。多様な設計・デザインが可能になり、災害に対する安全性にたいしても十分な配慮が払われています。木材の欠点を補うため、種々の木質材料が用いられ、建築としての質の向上が図られています。


木の香りの成分は、シロアリやダニの繁殖を抑えます
ヒノキ・スギ・ベイスギ・ベイヒバなどの木材には、ぜん息の原因となるダニの繁殖を抑制する香り成分が含まれております。